先日、会社の健康診断に出向いた。
会社員であればその大多数が半ば強制的に参加させられるこの年中行事が僕はあまり好きではない。
なにしろこの健康診断という奴は苦痛の多い行事で、血は抜かれるし吸盤を貼られるし尻に注射は打たれるし胃カメラでおえってなるしで、これってむしろ健康を損なうんじゃないですかね。
まんがとか小説とかアニメだと、ナース服の胸がはち切れそうなおっぱいを装着した看護婦さんがあんな事やこんな事やあんな事やこんな事になって、おまけに白衣の女医さんがガーターベルトとか履いてたりするのに、現実ではせいぜい胃カメラが喉を通る苦痛を和らげるために看護師さんが背中をさすってくれる程度だ。
おまけに、美人で巨乳どころか、普通に成人男子だったからね、看護師さん。
現実は厳しい。
さて、健康診断のメインイベントが胃カメラなのは間違いのないところだけど、胸部レントゲン撮影も、あっさり度合いの割になかなかのハイテク装備が使用されており、自分の見知らぬ機材を見ると心躍る性質の人間としては捨て置けない診断の一つであったりする訳ですが。
基本、レントゲン撮影では肌着を脱ぐ必要はないけれど、検査着の下にボタンのついてる肌着をうっかり着ていたりする場合があって、この時ばかりは脱衣を要求される。
まあ、2,3度経験するとボタン付きをうっかり着るようなことは無くなるものだ。
前の日の21時から何も入れていない胃が空腹を訴えるのをなだめつつ撮影の順番を待っていると、僕の前にX線撮影室(って表現でいいのかな)に入った人が、検査技師さんに何か問い合わせているのがドア向こうから漏れ聞こえた。
『あの、肌着は脱いだ方がいいですかね』
ははあ、うっかりボタン付きでも着てきたかな。
『いえ、ボタンのついている肌着などでなければ平気ですよ』
『でもこれヒートテックなんですよ』
本気で吹いた。周囲に人がいなくて幸いだった。
なんだろう、ドア向こうの彼はユニクロが肌着に金属繊維でも織り込んでると思ってたのか。
後に控えた胃カメラ検査に沈みかけていた気分を和ませてくれた彼に感謝しつつ、僕はそっと口元の涎を拭った。(予想外のタイミングで面白いことが起きたのでまあまあ激し目に吹いてた)
ありがとう、見知らぬヒートテックの人。
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- 2010/11/17(水) 22:33:17|
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